2023年度、蝶野正洋の「イオン防災・救命119 オープンキャンパス」は全国10都市で開催しました。
消防士・救急隊員を中心に様々な専門家を招いて「災害への備えとして出来ること」 「いざ、被災した時にどんな行動をとるべきか」という防災テクニックについて学んできました。
防災で大切な考えは「自助」「共助」「公助」の3つ。
「自助」は自分や家族の命を守ること。
「共助」は地域で助け合うこと。
「公助」は行政による助けのこと。
私たち一般市民が意識すべきことは「自助」と「共助」です。
行政による助けである「公助」に期待する方も多いかもしれませんが、警察や消防の人数に限りがある以上、「公助」にも限界があります。
実際に1995年の阪神淡路大震災では、7割弱の方が「自助」によって救出され、「公助」は1割にも満たなかったそうです。
つまり、3割の方は隣人等の「共助」によって救出されたことになります。
この「共助」の重要性を示すデータには、イベント参加者の多くの方が驚かれていました。
驚きの理由には、数字の意外性だけでなく、ご近所付き合いの希薄さから来る不安もあるかもしれません。
「地震が来た時に、近所同士で助け合いが出来るのか?」という不安です。
これは蝶野さんも危惧されていることです。
「昔に比べて、最近は近所付き合いがめっきり減ってしまっている」
「老人や小さな子どもは特に周囲の助けが必要だが、隣の家にどんな人が住んでいるのかもわからない人が多い」
と、しきりに仰います。
では、地域のつながりを強化するためにどんなことが出来るのでしょうか?
その選択肢の一つとして蝶野さんは「消防団」を挙げます。
消防団は、ご存知の通り一般市民によって構成される組織で消火活動や大規模災害時の救助救出活動、避難誘導、災害防御活動を行います。
「公助」を支える立場であり、訓練によって「自助」や「共助」のための知識やスキルも身に付きます。
まさに、防災に必要な要素をすべて兼ね備え、人命救助の最前線に立つやりがいのある仕事です。
しかし、それだけが消防団の魅力ではないと、毎年イベントに参加するなど消防団に詳しい蝶野さんは言います。
「消防団に入るメリットの1つは地域の繋がりを強化できることだ」
消防団は地域によって異なりますが、基本的には18歳以上であれば男性だけでなく女性も入団出来ます。
当イベントにも消防団の方にご登壇いただきましたが、
「消防団は仕事や学業と両立できる」
「災害現場での活動以外にも広報活動などで体力を必要としない活動もあり、自分にあった形で活動することが出来る」
など、敷居の低さを強調されていました。
お年寄りはもちろん外国の方が所属する団もあります。
学生からお年寄り、外国の方まで、普段なら関わり合うことがない人同士が、人命救助というひとつの目的のために繋がり、コミュニティが広がります。
このコミュニティの広がりが、命を守ります。
それは、あなたが誰かの命を守るという意味に留まりません。
あなたの命を、誰かが守ってくれるのです。
「もしも倒壊した家屋の下敷きになったら」
「自分が不在の時に、家が火事になったら・・・」
自分1人ではどうしようもない時に、助けてくれるのが周囲の人々です。
誰かの命を守り、誰かに命を守られるために、消防団という選択肢を考えてみてはいかがでしょうか?